プログラミング経験はゼロ。自分で書いたコードも0行。
それでもClaude CodeとCodexを頼りながら約3か月で、iOS版をApp Storeへリリースし、Android版も公開準備を進めるところまでたどり着きました。
ところが今は、達成感よりも「本当に利用してくれる人はいるのだろうか」という不安の方が大きくなっています。
»あるくせとうち公式X
スポットの紹介や開発の様子は X で発信しています。
なぜ、知識のない私がアプリを作ろうと思ったのか。始まりは、普段使っている歩いてポイ活アプリへの小さな不満でした。
「このアプリ、もっとこうしたら使いやすいのに」
「広告を見る作業ばかりで、歩く楽しさが少ないな」
歩いてポイ活アプリを紹介する記事を書き続けるなかで、そう感じることが何度もありました。
それなら、自分が本当に使いたいと思えるアプリを作ってみたい。
そう考えたことが、歩いてポイ活アプリ「あるくせとうち」を作り始めたきっかけです。
とはいえ、私はプログラミング未経験です。以前、プログラミングを勉強しようとしたことはありますが、難しすぎて挫折しました。
そんな私が出会ったのが、AIと対話しながらアプリやサービスを作る「バイブコーディング」です。
コードの生成や修正はAIへ依頼し、私はアイデアを伝えること、各種設定、動作確認、最終的な判断を担当しました。
AIの力は、本当にすごいと思います。
ただし、決して簡単だったわけではありません。想像以上に時間がかかり、費用も発生しました。理想のポイ活アプリと、実際に運営できるアプリの間に大きな差があることも知りました。
この記事ではアプリの詳しい使い方ではなく、プログラミング未経験のブログ運営者が、AIに大きく頼りながらアプリ開発へ挑戦した過程を紹介します。
※2026年8月時点では、iOS版はApp Storeへ公開済み、Android版は公開準備中です。アプリの機能や使い方は、正式リリース後に別の記事で詳しく紹介します。
歩いてポイ活アプリを自分で作ろうと思った理由

これまでおすすめの歩いてポイントが貯まるアプリ15選をはじめ、2026年8月時点で84個もの歩いてポイ活アプリを使い、ブログで紹介してきました。
そのなかで感じていたのが、続ける楽しさが少なく、作業感の強いアプリが多いということです。
歩いてポイントを貯めるはずが、実際には広告を何本も見て、受け取りボタンを何度も押す。いつの間にか、歩くことよりも広告を見てポイントを回収することが中心になっていました。
もちろん、無料アプリを運営するには広告収入が必要です。当時の私は、その事情を深く理解していませんでした。
ただ、利用者としては「もっと広告が少なく、歩くこと自体を楽しめるアプリがあればいいのに」と感じていました。そんな思いから、漠然と「自分でもアプリを作ってみたい」と考えるようになったのです。
構想の参考にしたのは、私が特に続けやすいと感じていた「Vヘルスナビ」です。現在はサービスを終了していますが、歩きながらバーチャルで世界遺産を巡れるアプリでした。
このアプリは、単にポイントを受け取るだけではありません。「次はどんなスポットだろう」とワクワクしながら歩ける楽しさがありました。また、広告視聴は1日1回だけだったため、ストレスを感じにくい点も魅力でした。
この仕組みから着想を得て、「世界遺産ではなく、私の生まれ故郷である岡山県瀬戸内市を舞台にしたら面白いのではないか」と考えました。
現在は瀬戸内市に住んでいません。それでも、生まれた町の魅力を少しでも多くの人に知ってもらいたいという思いがあります。
こうして、歩いた分だけ瀬戸内市の実在するスポットを集められるウォーキングアプリ「あるくせとうち」の構想が生まれました。記事執筆時点では、観光地や飲食店、公園など332か所のスポットを候補として収録し、現在も内容の確認・充実を進めています。
アプリの詳しい内容はリリース後の記事へ譲りますが、興味のある方は「あるくせとうち」公式ページもご覧ください。
プログラミング未経験者のバイブコーディング

最初から、完成形を細かく説明できたわけではありません。
「歩数に応じて瀬戸内市のスポットを集められるアプリを作りたい」
まずは、その程度の大まかな構想をAIへ伝えました。そこから提案を受け、分からないことを質問し、一つずつ相談しながら形にしていきました。
開発の中心に使ったのは、「Claude Code」と「Codex」です。
私はプログラムの内容を見ても、それが正しいのか判断できません。特に不安だったのがセキュリティーです。そのため、一方のAIだけを信じるのではなく、Claude CodeとCodexの両方へ確認を依頼するようにしました。
また、アプリ開発はAIとのチャットだけでは終わりませんでした。
iOS版を作るだけでも、Xcode、Google AdMob、Apple Developer、Cloudflare、App Store Connectなど、複数のツールや管理画面を行き来します。
初めて見る言葉ばかりで、自分が何を設定しているのか分からないことも珍しくありません。
分からない画面が表示されるたびにスクリーンショットを撮り、AIへ見せて次の操作を確認する。指示どおりに操作したら、また画面を撮って確認する。その繰り返しでした。

「Claude CodeとCodex、どちらがおすすめですか?」という質問をよくいただきます。
2026年8月中旬時点で、Claude CodeのOpus 5.0とCodexの5.6 Solを比較した場合、私が実際に使ってみた印象では、性能重視ならClaude Code、コストパフォーマンス重視ならCodexというのが率直な感想です。
ただし、AIの進化スピードは非常に速く、来月には新しいモデルが登場して評価が逆転している可能性も十分あります。そのため、この評価はあくまで2026年8月中旬時点のものとして参考にしてください。
AIなら簡単に作れる、とは言えなかった

プログラミング未経験でもアプリの形を作れたのは、間違いなくAIのおかげです。
一方で、AIを使えば簡単に完成するというものでもありませんでした。特に印象に残っている失敗がいくつかあります。
突然、アプリがまったく動かなくなった
100か所分のスポット情報を追加した直後、アプリが起動すらしなくなりました。
プログラミングの知識がない私には、原因を説明できません。AIへ伝えられたのは「まったく動かないです」という一言だけでした。
それでもAIは問題のある場所を探し、修正してくれました。専門的な言葉で説明できなくても、起きていることをそのまま伝えれば、解決へ進める場合がある。これはAI開発の面白さを感じた出来事でした。
AIが瀬戸内市のスポットを取り違えた
300件を超えるスポットを集めるとなると、私一人の力だけでは限界がありました。そこで活躍したのがAIです。
しかし、AIは地域のことを何でも正確に知っているわけではありません。
スポット情報を収集してもらうと、すでに閉店した店舗が含まれていたり、同じ店舗を少し違う名前で重複登録したり、別の場所の情報と結び付けてしまったりすることがありました。そのため、最終的には人の目で一つひとつ確認し、修正する必要がありました。
地元を知っていたからこそ気付けた間違いもあります。一方で、私自身も訪れたことのない場所が多く、説明文が本当に正しいのかという不安は今でも残っています。
今後は帰省した際に実際に各地を巡り、自分で写真を撮影するとともに、必要に応じて店舗や施設の方へ確認しながら、少しずつ情報の精度を高めていく予定です。
AIはアプリを形にする大きな力になってくれました。しかし、地域情報の正確さを守るのは、最終的には人間の役割だと感じています。
AIの使用制限との付き合い方
私は平日は仕事があるため、まとまった開発時間を確保できるのは主に土日でした。しかし、開発に集中してAIへ何度も質問していると、利用制限に達してしまい、「続きをやりたいのに進められない」という場面が何度もありました。
AIを使った開発では、AIの性能だけでなく、利用制限も考慮しながら作業を進めることが、開発効率を大きく左右すると実感しました。

もちろん、さらに課金すれば使用制限はほとんど気にならなくなります。しかし、予算の都合もあり、そこまではできませんでした。
理想のポイ活アプリと運営の現実

開発を始めた当初、目指していたのは、どの歩いてポイ活アプリよりも還元率が高く、広告を見る回数が少なく、それでいて楽しく続けられるアプリでした。
さらに、貯めたポイントを他社ポイント、現金、暗号資産などへ交換できる仕組みにしたいとも考えていました。
しかし、開発を進め、収入と費用を試算するほど、その理想を個人で実現する難しさが分かってきました。
広告を減らせば、広告収入は少なくなります。還元率を上げれば、交換商品に必要な費用は増えます。アプリを動かし続けるだけでも、毎年維持費がかかります。
「広告が少ない」「よく貯まる」「無料で長く運営できる」を同時に成立させるのは、想像していた以上に難しいことでした。
利用者として不満に思っていた広告の多さにも、運営する側の事情があったのです。
今回の開発でかかった費用は、おおよそ次のとおりです。金額は2026年7月時点で私が実際に支払った金額または見込み額で、料金プランや為替によって変わる場合があります。
| 項目 | おおよその費用 |
|---|---|
| 中古Mac | 約60,000円 |
| Apple Developer Program | 年約12,800円 |
| Google Play登録 | 約4,000円(買い切り) |
| Claude Code | 月約15,000~16,000円 |
| ChatGPT/Codex | 月約3,000円 |
| Cloudflare | 年約2,000円 |
| インターネット・各種API | 利用状況による |
初年度は約16万円、翌年度以降も年間約10万円を見込んでいます。AIやAPIの利用状況によって金額は変わり、交換商品の仕入れや発送にかかる費用は含んでいません。
さらに、表には表れない大きな負担が時間です。
正確な作業時間は記録していませんが、本業が終わった後や休日を使い、約3か月にわたって作業しました。収益だけで考えれば、割に合うとは言えません。
最初から考えていた他社ポイントや現金、暗号資産への交換は、今の私にはとても手が届かないものでした。
そこで現在は、瀬戸内市や岡山県の特産品を交換商品へ加えられる、地域に根差したアプリを目指しています。アプリがおおむね形になったため、これから協力していただける生産者や店舗の方を探す予定です。
まだ協力先が決まっているわけではありません。ここも、アプリを作った後に残っている大きな課題です。
採算が合わなくても開発を続けた理由
開発費をアプリだけで回収するのは、簡単ではないと思っています。
それでも、この費用は本業を続けている間であれば、すぐに生活が成り立たなくなる金額ではありません。
何より、実際にやってみなければ、成功するか失敗するかは分かりません。
私は以前から、自分で歩いてポイ活アプリを作ってみたいと思っていました。収益のためだけではなく、趣味の延長であり、自分のアイデアを形にする挑戦でもあります。
採算だけを目的にしていたら、本業の後や休日まで使って続けることはできなかったと思います。
「こんなアプリがあったらいいのに」と考えていたものが、少しずつスマートフォンの画面で動くようになる。その過程には、ポイントをいくら獲得できるかとは違う楽しさがありました。
iOS版で仕様が固まった後は、Android版の開発も進めました。最初のアプリで悩みながら決めた内容があったため、2つ目は大幅に早く形にできました。
知識が急に身に付いたわけではありません。それでも、分からない画面を撮ってAIへ相談し、エラーが出たら状況を伝え、止まったら再開する。その繰り返しで、未経験の私でも完成に近づけました。
アプリを作れた。でも本当の挑戦はここから

App Storeへリリースできた今、達成感でいっぱいかと聞かれると、そうではありません。
正直なところ、不安の方が大きいです。
本当に利用してくれる人はいるのか。
交換商品に協力してくれる生産者や店舗は見つかるのか。
登録した地域情報に間違いはないか。
アプリは、作っただけでは終わりではありません。利用してもらい、問題があれば直し、運営を続けて初めて意味を持ちます。
プログラミング未経験でも、AIを頼ればアプリの形を作るところまでは進めました。しかし、「作れること」と「使ってもらえること」は別の問題です。
「あるくせとうち」の本当の挑戦は、むしろここから始まります。
収益が出れば、もちろんうれしいです。ただ、それだけが成功ではありません。
アプリをきっかけに瀬戸内市を知ってくれる人がいること。実際に歩くことを楽しんでくれる人が現れること。地域の生産者や店舗の方が、交換商品への協力に興味を持ってくれること。
そのどれか一つでも実現すれば、作ってよかったと思えるはずです。
初めてのアプリをここまで作れたのは、間違いなくAIのおかげです。機械に詳しくない私が、一人でアイデアを形にできたことを、今でもすごいと感じています。
私よりすばらしいアイデアを持っている人は、きっと大勢います。
バイブコーディングは、魔法のように一度で完成させてくれる方法ではありません。時間も費用もかかり、AIが間違えることもあります。安全性や法律に関わる部分では、専門家の確認も必要です。
それでも、プログラミングが分からないという理由だけで、アイデアを諦めなくてもよい時代になったのだと思います。
作ってみたいものがある方には、ぜひ挑戦してほしいです。
私自身も、「あるくせとうち」がこれからどうなっていくのか、まだ分かりません。うまくいったことだけでなく、失敗や運営の現実も、今後このブログで正直に紹介していきます。
»あるくせとうち公式X
スポットの紹介や開発の様子は X で発信しています。

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