登録費は。なのに、iOSよりずっと時間がかかっています

個人でアプリをリリースしようと思ったとき、最初に比べるのはたいてい「お金」です。
- ✅ Apple Developer Program:年間$99(毎年かかります)
- ✅ Google Play デベロッパー登録:$25の1回払い
数字だけ見れば、Androidのほうが圧倒的に安いです。「じゃあAndroidのほうがラクだろう」と、私はそう思っていました。
結論から言うと、逆でした。費用は安いのに、時間はAndroidのほうがはるかにかかっています。その原因が、Google Playのクローズドテスト(12人×14日)という要件です。
この記事は、プログラミング未経験からAIを使ってアプリを作っている個人開発者が、Androidリリースに向けてクローズドテストに挑み、1回目の申請で却下されたところまでを含めた記録です。前半はつまずいた話を時系列で、後半は同じ壁にぶつかっている方が使えるチェックリストの形にまとめました。
前提:iOS版はすでに公開済み、Android版も作りました
作っているのは「あるくせとうち」という、歩いてスポットを解放していくアプリです。iOS版はすでにApp Storeで公開されています。
Android版はKotlin / Jetpack Composeで、iOS版と同じ機能を実装する方針で作りました。
つまり「アプリが完成していない」わけではありません。アプリはできているのに、Google Playの手前で止まり続けている——これがAndroidの厳しさでした。ここからは、実際にぶつかった壁を順番に書いていきます。最後に控えているのが、1回目の申請が却下された話です。
🧱 壁① そもそも「アプリを作成」ボタンが押せない

Play Consoleにログインして、さあアプリを登録しよう——と思ったら、いきなり止まりました。
「アプリを作成」ボタンがグレーアウトしていて、押せないのです。
個人開発者アカウントの場合、これを解除するために2つの確認が必要でした。
- ⚠️ Androidモバイル端末の所持確認(Play Consoleアプリを実機に入れてログインし、デベロッパーを選択する)
- ⚠️ 本人確認(身分証)+電話番号確認
問題は1つ目でした。私はAndroid実機を持っていなかったのです。iOSでアプリを作っていたので、当然といえば当然です。
さらに私の家族は全員iPhone…
結局、人の端末を借りて突破しました。エミュレータで代用できないかとも考えましたが、検知で弾かれる可能性があるため、実機を用意するのが確実だと思います。
ここを抜けないと、AABのアップロードもストア掲載もできません。開発の腕とは何の関係もないところで足止めされるので、Androidリリースを考えている方は、この確認を早めに済ませておくことを強くおすすめします。
🧱 壁② 「12人 × 14日連続」というテスターの壁

個人開発者アカウントは、製品版に進む前にクローズドテストで12人以上のテスターが14日間連続で参加している状態を作らなければなりません。これがいわゆる「12人 14日」要件です。
文字にすると簡単そうですが、実際にやると相当きついです。12人を「集める」のではなく、12人が「14日間ずっと参加している状態」を維持する必要があるからです。
テスターをどう集めたか
私が実際にやったのは、次の2つです。
- ✅ 友人・家族・知人に直接お願いする
- ✅ オンラインコミュニティの相互テストを利用する
相互テストというのは、個人開発者同士でお互いのアプリのテスターになる仕組みです。同じ要件で困っている人が集まっているので、話が早いのが利点でした。
最終的に、招待登録は41人まで増やしました。12人でいいのに41人です。理由は単純で、招待しても実際にオプトインするのは3〜5割程度だからです。
⚠️ ただし、どの段階で離脱したのかはPlay Console上では分かりません。招待した人数と、オプトインした人数しか見えないためです。
41人招待して、ようやく12人の条件が見えてくる。必要数の3倍は招待しておくべき、というのが正直な実感です。

オンラインコミュニティの詳細を知りたい方は、お問い合わせフォームからご連絡ください。個別にご案内します。
不特定多数の方が閲覧できる場所に掲載すると、コミュニティに迷惑をかける可能性があるため、詳細の公開は控えています。
🧱 壁③ 「誰が参加しているのか」が分からない

これは事前に想像していなかった壁でした。
Play Consoleで分かるのは、「招待したメールアドレスの一覧」と「オプトインした人数」だけです。
つまり、個々のテスターが参加したかどうかを、Googleはプライバシー保護のため開示しません。「Aさんは入ってくれたけどBさんはまだ」という確認ができないのです。
足りているかどうかを確かめたければ、本人に直接聞くしかありません。Firebaseの匿名認証で利用者数そのものは見えますが、匿名IDなのでメールアドレスとは紐づかず、「誰が」の特定には使えませんでした。
進捗を確認できる画面(実用情報)
数字を追いかける場所は、覚えておくと毎日の確認がラクになります。
- ✅ 要件の進捗(◯人が◯日間):
テストとリリース → テスト → クローズドテスト → Alpha
(同じ内容はテストとリリース → 製品版 → 製品版へのアクセス権をリクエストでも確認できます) - ✅ 実インストール数:
統計情報 → 上部フィルタで「クローズドテスト - Alpha」を選択
「インストール済みユーザー数」=実質のテスター数、「アクティブなユーザー数」=実際に開いている人数です - ✅ テスト参加URL:
クローズドテスト → Alpha → ページ下部「テストへの参加方法」
🚨 山場:1回目の申請が、却下されました

ここからがこの記事の本題です。
12人×14日の数字はきちんと満たしました。そのうえで製品版アクセスを申請しました。それでも——却下されました。
Googleから届いた却下理由は、定型文で2つだけでした。
- 🚨 「テスターが関与しなかった」
- 🚨 「フィードバックを収集しアップデートを通じて対応するなどのベストプラクティスを実践しなかった」
何を誤解していたのか
原因は、おそらくこれです。
テスターが減るのを恐れて、テスト期間中、テスト期間後にアップデートを配信しなかった。
私はずっと「14日間、12人を割らないこと」だけを見ていました。更新を配信して不具合が出たら、離脱されるかもしれない。連絡をして面倒がられたら、抜けられるかもしれない。
だから何もせず、静かに14日が過ぎるのを待ちました。14日を満たしたあと、申請するまでの間も同じです。結局、最初から最後まで何もしないまま申請しました。
でもGoogleが見ていたのは、数字だけではありませんでした。
「意見をもらう → 実際にアップデートを配信する → テスターがそれを確認する」というサイクルが回ったかどうかです。
ここで大事なポイントがあります。「実装したけれど次回リリース予定です」は、「対応した」扱いにはなりません。申請までに実際に配信されて、はじめて対応したことになります。
加えて、集まったフィードバックが1件のみだったため、関与が低いと見られた可能性もあると思っています。

特に14日過ぎてから、申請するまでの間のアップデートはかなり重要見たいです!
ゼロからやり直し
却下メールを読んだときは、正直かなり落ち込みました。また14日を最初から積み上げるのかと。
✅ 却下メールを受け取った日を0日目として、14日が自動で再スタートします。

テスターを集め直す必要がないのが唯一の救いです。
再申請で守った3つのこと

2回目は、1回目の反省をそのまま裏返しました。
- テスト期間中に、必ず1回はアップデートを配信する。却下理由に直結していた部分なので、ここは外さないようにしました。
- テスターに連絡してよい。「◯◯を更新してみたので、アップロードして使ってみてください」と伝えます。起動してもらえるうえに関与度も上がるので、連絡を避けたのは完全に逆効果でした。
- テスト期間後にもう一度アップデートを配信する。可能であれば、テスターの意見を反映させたものをアップロードしてください。
「テスターが減るのが怖いから何もしない」は、要件を満たすための最短ルートに見えて、実は一番の遠回りでした。
申請フォーム6問に、どう答えたか

製品版アクセスの申請フォームは6問すべて300字以内です。短いので、要点を絞る必要があります。実際に回答した内容の骨子を載せておきます。
1回目の申請で回答した内容
- テスターが行った操作:歩数連携/スポット解放/一覧・詳細の閲覧/ポイント・交換画面(交換申込は発送を伴うため、画面確認まで)
- 集まったフィードバック:「スポットがどこにあるか分かりにくい」の1点のみ。不具合報告はなし
- 対象ユーザー:瀬戸内市の在住者・出身者・観光客に加え、歩数やポイ活に関心のある人
- アプリの価値:歩くことに目的を持たせること、貯めたポイントで特産品と交換できること
- テストを踏まえた変更:地図機能と検索機能を実装(その過程でスポットデータの誤り4件も修正)
- 製品版の準備ができたと判断した理由:12人×14日を満たし不具合報告がなかったこと、そしてiOS版がApp Storeで公開済みという実績
⚠️ 実際に書いてみて感じたのは、「iOS版が既に公開済み」という事実が、6番目の質問で最も強い材料になったということです。同じアプリが別ストアの審査を通って世に出ている、というのは客観的な材料になります。
👉 参考までに、そのiOS版がこちらです:あるくせとうち(App Store)
2回目の申請で回答した内容
1回目の申請が却下されたため、2回目は「フィードバックを受けて改善し、更新版を実際に配信したこと」が伝わる内容に変更しました。
- テスターが行った操作:歩数連携/スポット解放/一覧・詳細の閲覧/地図・検索機能の利用/ポイント・交換画面の確認(交換申込は発送を伴うため、画面確認まで)
- 集まったフィードバック:「スポットがどこにあるか分かりにくい」という意見があり、目的のスポットを探しやすくする必要があると判断した
- 対象ユーザー:瀬戸内市の在住者・出身者・観光客に加え、歩くことやポイ活に関心のある人
- アプリの価値:歩くことに目的や楽しみを加えながら瀬戸内市のスポットを知ってもらい、貯めたポイントを地域の特産品などと交換できること
- テストを踏まえた変更:スポットの場所を確認できる地図機能と、名前から探せる検索機能を追加した。あわせてスポットデータの誤り4件を修正し、更新版をクローズドテストで実際に配信した
- 製品版の準備ができたと判断した理由:12人以上による14日間のテスト要件を満たし、フィードバックを受けた機能改善と更新版の配信まで行ったため。また、同じ内容のiOS版がすでにApp Storeで公開されていることも判断材料とした
1回目との大きな違いは、改善内容を書くだけではなく、地図をテスト期間中に、検索機能をテスト期間終了後、申請前にアップロードしたことです。2回目は、「意見を聞く → 改善する → 更新版を配信する」という流れが伝わるように回答しました。
【実用】これからクローズドテストに挑む人向けチェックリスト

ここからは、同じ壁にぶつかっている個人開発者の方がそのまま使える形にまとめます。
テスト開始前にやっておくこと
- ✅ Android実機を確保する。持っていないなら借りる算段を先につける(エミュレータは弾かれる可能性あり)
- ✅ 本人確認(身分証)と電話番号確認を先に済ませる。ここが通らないとアプリ自体を作成できません
- ✅ テスターは必要数の3倍を目標に招待する(12人なら36人前後。私は最終的に41人まで増やしました)
- ✅ 集める先を複数用意する。友人・家族・知人に加えて、相互テストができるコミュニティを併用する
- ✅ 期間中に配信するアップデートを、あらかじめ1本用意しておく
テスト期間中(14日間)にやること
- ✅ 必ず1回はアップデートを配信する
- ✅ 「◯◯を更新しました」とテスターに伝える。連絡は遠慮しない
- ✅ フィードバックは複数回、こちらから取りにいく。
- ✅ オプトイン数と要件の進捗を定期的に確認する(
テストとリリース → テスト → クローズドテスト → Alpha)。実インストール数は統計情報 → フィルタ「クローズドテスト - Alpha」 - ⚠️ 誰が参加しているかは分からないので、不安なら本人に直接聞く
テスト期間終了後、申請までにやること
- ✅必ずアップデートを配信する
申請したあと(審査中)にやってはいけないこと
- 🚨 新しいAABを上げない
- 🚨 テスターに連絡しない
審査期間は約7日で、結果はメールで届きます。この間に更新をきっかけにテスターが12人を割ってしまうと、また14日をやり直しになる恐れがあります。動きたくなる気持ちは分かりますが、待つコストのほうが圧倒的に安いです。ここはじっと我慢するのが正解だと考えています。
まとめ:申請を通過し、最後のリリース審査へ進みました

1回目の申請は却下されましたが、クローズドテストをやり直して再申請した結果、製品版へのアクセス申請を通過できました。
現在は、Android版「あるくせとうち」の公開に向けた最後のリリース審査まで進んでいます。まだGoogle Playでの公開は完了していませんが、長かったクローズドテストはようやく終了しました。
今回の経験から、Google Playのクローズドテストは、単に「12人以上が14日間参加する」という数字だけを満たせばよいものではないと感じました。
テスターから意見をもらい、その内容をもとにアプリを改善し、更新版を実際に配信する。さらに、テスターに改善後のアプリを確認してもらう。この一連の流れを作ることが、申請を通過するうえで大切だったのだと思います。
Google Playのデベロッパー登録料は25ドルの買い切りですが、Androidアプリを公開するまでには、想像以上に多くの時間がかかりました。これから挑戦する方は、費用だけでなく、テスター集めや改善、再審査にかかる時間も含めて準備しておくことをおすすめします。
あとは最後のリリース審査を通過すれば、Android版をGoogle Playで公開できます。結果が分かり次第、この記事にも追記します。
👉 iOS版は先に公開しています。中身が気になる方はこちらからどうぞ
バイブコーディングでのアプリ作成記録については、下記の記事で紹介しています。


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